「英単語を覚えても覚えても忘れてしまう」というのは、英語学習者にとって最大の悩みの一つです。しかし安心してください。単語が覚えられないのは記憶力が悪いのではなく、覚え方が間違っているだけかもしれません。
実は、科学的に正しい覚え方を実践するだけで、英単語の定着率は劇的に変わります。脳の仕組みに合った方法で覚えれば、無理なく効率的に語彙力を伸ばすことができるのです。
この記事では、科学的に正しい英単語の覚え方を7つ紹介します。どれも今日から実践できるものばかりですので、ぜひ試してみてください。

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なぜ英単語はすぐ忘れるのか?
エビングハウスの忘却曲線
ドイツの心理学者エビングハウスの研究によると、人間は新しいことを覚えても以下のように忘れていきます。
- 20分後に42%忘れる
- 1時間後に56%忘れる
- 1日後に67%忘れる
- 1ヶ月後に79%忘れる
つまり覚えた翌日には7割近く忘れているのが普通です。「自分は記憶力が悪い」と落ち込む必要はありません。人間の脳はそういう仕組みになっています。
大事なのは「忘れる前に復習する」こと
忘却曲線の研究では、適切なタイミングで復習すると記憶の定着率が劇的に上がることがわかっています。このタイミングを意識した勉強法が、効率的な暗記の鍵になります。
方法1:間隔反復法(スペースド・リピティション)
とても効果的な記憶法
間隔反復法は、忘れかけたタイミングで復習することで記憶を強化する方法です。科学的に最も効果が実証されている暗記テクニックです。
具体的なやり方
新しい単語を覚えたら、以下のタイミングで復習します。
- 1回目の復習:その日の夜(寝る前)
- 2回目の復習:翌日
- 3回目の復習:3日後
- 4回目の復習:1週間後
- 5回目の復習:2週間後
- 6回目の復習:1ヶ月後
この間隔で6回復習すると、長期記憶にしっかり定着します。アプリを使えば自動で復習タイミングを管理してくれるので便利です。

方法2:語源で覚える
芋づる式に語彙が増える
英単語の多くは、接頭辞(prefix)・語根(root)・接尾辞(suffix)の組み合わせでできています。語源を知ると、1つの知識から複数の単語が芋づる式に覚えられます。
よく出る接頭辞
- un-(否定):unhappy, unusual, unfair
- re-(再び):return, review, rebuild
- pre-(前に):preview, prepare, predict
- dis-(否定・反対):disagree, disappear, discover
- inter-(間に):international, internet, interact
よく出る語根
- -ject(投げる):project(前に投げる→計画), reject(投げ返す→拒絶), inject(中に投げる→注入)
- -port(運ぶ):transport(向こうに運ぶ→輸送), import(中に運ぶ→輸入), export(外に運ぶ→輸出)
- -spect(見る):inspect(中を見る→検査), respect(振り返って見る→尊敬), prospect(前を見る→見通し)
語源学習は、知らない単語に出会ったときの推測力にもなるので、試験でも実生活でも役に立ちます。
方法3:イメージ(映像)と結びつける
脳は映像を覚えやすい
人間の脳は文字情報より映像情報の方が6倍記憶に残りやすいと言われています。単語を覚えるときに、その単語が表す状況をイメージすると記憶に定着しやすくなります。
やり方
たとえば “procrastinate”(先延ばしにする)を覚えるなら、「締め切りが近いのに、ソファでスマホをいじってダラダラしている自分」を頭の中でリアルに想像します。感情や五感を伴うイメージほど記憶に残りやすいです。
さらに効果的にするコツ
- 面白い・変な・インパクトのあるイメージほど覚えやすい
- 自分の経験と結びつける
- イメージを声に出して説明する

方法4:音読で体に染み込ませる
五感を使うほど記憶に残る
目で見るだけの暗記は、最も忘れやすい覚え方です。目(見る)・口(話す)・耳(聞く)の3つの感覚を同時に使う音読は、記憶の定着率が格段に上がります。
効果的な音読のやり方
- 単語と意味を確認する
- 例文を声に出して3回読む
- 日本語訳を見ないで例文をもう3回読む
- 翌日に同じ例文を読んで、意味を覚えているか確認する
発音がわからない単語は、オンライン辞書の音声機能で確認してから音読しましょう。Longman Dictionaryは発音音声も例文も充実しているのでおすすめです。
方法5:文脈の中で覚える
単語単体で覚えない
「apple = りんご」のように単語と意味を1対1で覚えるのは非効率です。文脈(文章の中)で出会った単語は、単体で覚えた単語の3倍記憶に残るというデータがあります。
具体的な方法
1. 多読で単語に出会う
自分のレベルに合った英語の本を読んで、同じ単語に何度も出会うことで自然に覚えられます。完全に意味がわからなくても、文脈から推測する経験が「使える語彙」を増やします。
2. 自分で例文を作る
覚えたい単語を使って自分で例文を作ってみましょう。自分の生活に関連した文を作ると、さらに記憶に残りやすくなります。
例文は具体的であるほど記憶に残ります。「He is diligent.」より「My friend Takeshi is the most diligent student in our class.」の方が印象に残りやすいです。
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方法6:グループ化して覚える
関連する単語をまとめて覚える
バラバラに覚えるより、テーマやカテゴリごとにまとめて覚える方が効率的です。関連した情報は脳の中で「ネットワーク」として保存されるので、1つ思い出すと芋づる式に他の単語も出てくるようになります。
グループ化の例
感情の単語グループ:
happy → delighted → thrilled → ecstatic(嬉しさの度合い順)
仕事関連の単語グループ:
colleague, supervisor, subordinate, department, promotion
反意語ペア:
increase ↔ decrease, export ↔ import, abundant ↔ scarce
マインドマップを活用する
中心にテーマを書いて、関連する単語を枝のように広げていく「マインドマップ」もおすすめです。視覚的に整理されるので、記憶に残りやすくなります。

方法7:アウトプットで記憶を強化する
「思い出す」作業が記憶を強くする
アメリカ心理学会(APA)の研究でも、テストや想起練習(思い出す練習)が記憶の定着に効果的であることが報告されています。
つまり「覚える」作業よりも「思い出す」作業の方が記憶を強化するのです。
具体的なアウトプット方法
1. 自分テストをする
単語帳の日本語だけ見て英語を答える、英語だけ見て日本語を答える。このセルフテストを繰り返すだけで、記憶の定着率が大幅に上がります。
2. 覚えた単語を使って英作文する
その日覚えた単語を使って3つの英文を作ってみましょう。書くことで「あれ、この単語ってこういう使い方でいいんだっけ?」と気づくことがあり、理解が深まります。
3. 人に教える
友達に「今日覚えた英単語を3つ教える」と決めると、教えるために自分の理解が深まります。「教えることは最高の学び」は本当です。
1日の単語学習スケジュール例
朝(10分)
新しい単語を30語、ざっと目を通します。完璧に覚えなくてOKです。「見たことある」レベルを目指します。
昼(5分)
朝見た単語をアプリでサッと復習します。覚えていない単語にチェックをつけます。
夜(15分)
朝の単語を音読で復習し、例文を作ります。チェックした単語は重点的に。前日の単語もざっと確認します。
これだけで1日30分、毎日30語ペースです。1ヶ月で約900語、3ヶ月で約2,700語マスターできる計算です。
以下のNG暗記法は避けましょう。ノートに同じ単語を10回書く(手が覚えるだけで頭は覚えない)、1日10語ずつ完璧に覚える方式(広く浅く何度も回す方が効率的)、蛍光ペンで線を引くだけ(受動的な学習は記憶に残りにくい)。
やってはいけないNG暗記法
NG1:ノートに10回ずつ書く
同じ単語を10回書いても、手が覚えるだけで頭は覚えません。書く時間があるなら、その分テスト(思い出す練習)に回した方が効率的です。
NG2:1日10語ずつ完璧に覚える
完璧に覚えてから次に進む方式は、実は非効率です。広く浅く何度も回す方が記憶に残ります。1周目で覚えられなくても気にしないでください。5周する頃には自然に頭に入っています。
NG3:蛍光ペンで線を引くだけ
教科書に蛍光ペンで線を引くのは「覚えた気になる」だけです。受動的な学習は記憶に残りにくいので、線を引く代わりに自分でテストする方がはるかに効果的です。
まとめ:正しい方法で覚えれば、英単語は怖くない
英単語の暗記は、方法次第で効率が何倍も変わります。今回紹介した7つの方法の中から、自分に合うものを組み合わせて使ってみてください。
- 間隔反復法で復習タイミングを最適化
- 語源学習で芋づる式に語彙を増やす
- イメージと結びつけて記憶に焼きつける
- 音読で五感を使って覚える
- 文脈の中で自然に覚える
- グループ化して効率よく整理する
- アウトプットで記憶を強化する
「覚えられない」のは才能の問題ではなく方法の問題です。正しいやり方を知って実践すれば、語彙力は確実に伸びていきます。
※記事内の情報は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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