「英語を何年も勉強しているのにリスニングだけ苦手」「単語や文法は理解できるのに、ネイティブの会話になると全く聞き取れない」こうした悩みを抱えている方は非常に多いです。
英語が聞き取れない原因は人によって異なり、大きく「音声知覚の問題」と「意味理解の問題」に分類できます。自分がどちらに課題を抱えているかを見極め、適切な対策を取ることが上達への近道です。
この記事では、リスニングが聞き取れない7つの原因を解説し、それぞれに対応した具体的な上達法を紹介します。原因を特定して正しいトレーニングに取り組めば、リスニング力は着実に向上します。

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英語が聞き取れない7つの原因
原因1:英語の音声変化を知らない
リスニングが聞き取れない最大の原因は、英語の「音声変化」を知らないことです。英語では単語が連続して発音されるとき、音がつながったり(リンキング)、消えたり(リダクション)、変化したり(フラッピング)します。
例えば以下のような変化が起こります。
- 「want to」→「ワナ(wanna)」
- 「going to」→「ゴナ(gonna)」
- 「get it」→「ゲリッ(gedit)」(tがd音に変化)
- 「good night」→「グッナイ」(d音が脱落)
- 「an apple」→「アナッポー」(音が連結)
教科書で学んだ「1単語ずつハッキリ発音する英語」と、実際のネイティブの発話は大きく異なります。この音声変化のルールを知らなければ、いくら語彙があっても聞き取れません。
音声変化は感覚で拾おうとすると時間がかかる分野です。ルールごとに音源が付いた参考書を1冊通すと、どのパターンで自分が崩れているかを整理しやすくなります。
原因2:語彙力が足りない
そもそも知らない単語は聞き取れません。音として認識できても、意味が理解できなければリスニングとして成立しません。特にリスニングでは、読んだときに理解できる語彙の約80%程度しか聞き取れないとされています。つまり、リスニングで95%の理解度を得るためには、リーディングではほぼ全単語を知っている状態が必要です。
原因3:英語を日本語に訳して理解しようとしている
英語を聞いたとき「英語→日本語に翻訳→意味を理解」というプロセスを踏んでいると、処理速度がネイティブの発話スピードに追いつきません。英語を英語のまま理解する「英語脳」が形成されていないことが原因です。
原因4:英語のリズム・強弱に慣れていない
英語は「強弱アクセント言語」であり、重要な単語は強く長く、機能語(冠詞・前置詞・接続詞など)は弱く短く発音されます。日本語は比較的平坦なリズムなので、この強弱パターンに慣れていないと、弱く発音される部分が聞き取れません。
原因5:発音の知識が不正確
自分の中に間違った発音のイメージがあると、実際の音声を聞いても「知っている単語」と結びつきません。例えば「water」を「ウォーター」と覚えている人は、ネイティブの「ワラー」に近い発音を聞いても認識できないのです。
原因6:文法力の不足
文法の知識が不足していると、聞き取れた単語を正しく組み立てて意味を把握することができません。特に関係代名詞や分詞構文など複雑な構文は、文法の理解なしに聞き取るのは困難です。
原因7:英語を聞く量がとても少ない
リスニングは「慣れ」の要素が非常に大きいスキルです。日常的に英語を耳にしていない環境では、いくら知識があっても反応速度が追いつきません。

原因別のリスニング上達法
音声変化を知らない人向け:音声変化の学習+シャドーイング
まずは英語の音声変化のルールを体系的に学びましょう。主な音声変化は以下の5種類です。
- リンキング(連結):子音+母音がつながる(例:pick up → ピカップ)
- リダクション(脱落):語末のt, d, kなどが消える(例:good morning → グッモーニン)
- フラッピング(弾音化):母音に挟まれたtがd音になる(例:water → ワラー)
- アシミレーション(同化):隣り合う音が影響し合う(例:would you → ウッジュー)
- 弱形:機能語が弱く短く発音される(例:of → ァヴ)
音声変化のルールを学んだ後は、シャドーイングで実際にその音を自分の口で再現する練習を行います。「自分で発音できる音は聞き取れる」という原則があるため、音声変化を自分で再現できるようになると聞き取り精度が格段に向上します。
語彙力不足の人向け:文脈で覚える語彙学習
リスニング力を上げるための語彙学習では、単語帳で暗記するだけでなく「音とセットで覚える」ことが重要です。具体的には以下の方法がおすすめです。
- 英単語を覚えるときに必ず音声を聞いて発音する
- 例文付きの単語帳を使い、フレーズの中で音のパターンを覚える
- リスニング教材に出てきた知らない単語をその場で覚える
そのため単語帳は、音声がダウンロードできるタイプを選んでおくと復習の質が変わります。目で覚えた単語を耳でも確認できる状態にしておくのがポイントです。
英語脳ができていない人向け:大量のインプット+多聴
英語を英語のまま理解する回路を作るには、英語に触れる絶対量を増やすことが不可欠です。1日最低30分は英語の音声を聞く環境を作りましょう。
おすすめは「多聴」と「精聴」の組み合わせです。
- 多聴:内容の7〜8割がわかる素材を大量に聞く。通勤中のPodcast等
- 精聴:短い音声を何度も繰り返し聞き、100%理解を目指す。ディクテーション等
リズム・強弱に慣れていない人向け:音読+オーバーラッピング
英語の強弱リズムを体得するには、ネイティブの音声に合わせて同時に読む「オーバーラッピング」が効果的です。強く読む単語と弱く読む単語の差を意識しながら、お手本のリズムを完全にコピーする練習を行いましょう。

リスニング力を鍛えるおすすめトレーニング
ディクテーション(書き取り)
ディクテーションは「聞こえた英語をそのまま書き取る」トレーニングで、自分が聞き取れていない箇所を正確に特定できるのが最大のメリットです。
やり方は以下の通りです。
- 短い音声(10〜30秒)を3回聞いて書き取る
- スクリプトと照らし合わせて間違いを確認する
- 聞き取れなかった箇所を重点的に繰り返し聞く
- その箇所を自分で発音して音を確認する
ディクテーションは語尾の子音やごく弱い音を拾う作業なので、周りの生活音があると判別が難しくなります。外の音を抑えられるイヤホンを使うと、聞き取れない箇所の切り分けがしやすくなります。
シャドーイング
聞こえた英語を1〜2語遅れで追いかけて発話するトレーニングです。リスニング力と発音を同時に鍛えられるため、多くの英語学習の専門家が推奨しています。詳しいやり方は別記事で解説していますので参考にしてください。
リピーティング
一文ずつ音声を止めて、聞いた文を再現する練習です。シャドーイングが難しい方は、まずリピーティングから始めるのがおすすめです。音声を聞く→一時停止→自分で再現する、のサイクルを繰り返します。
レベル別おすすめリスニング教材
初心者向け
- NHK「基礎英語」シリーズ:段階的にレベルアップできる。無料で音声が聴ける
- VOA Learning English:ゆっくりした速度で読み上げてくれるニュースサイト
中級者向け
- TED Talks:字幕付きで多様なトピックのプレゼンが聴ける
- BBC Learning English:イギリス英語のリスニング教材が豊富
上級者向け
- CNN / BBC のニュース:実際のニュース速度で聴く力を鍛える
- ネイティブ向けPodcast:日常会話のスピードに慣れるのに最適
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リスニング上達のためのマインドセット
100%聞き取ることを目指さない
最初から全てを聞き取ろうとすると挫折します。まずは「全体の意味を大まかに理解する」ことを目標にし、徐々に理解度を上げていく意識が大切です。
毎日英語に触れる環境を作る
リスニングは筋トレと同じで、毎日少しずつ続けることで耳が鍛えられます。Podcastを通勤中に聞く、英語のYouTubeを見るなど、生活の中に英語を聞く時間を組み込みましょう。
聞き取れないことに落ち込まない
ネイティブ同士の会話を全て聞き取れるようになるには長い時間が必要です。聞き取れない部分があるのは当然のことですので、「今日は昨日より少しだけ聞き取れた」という小さな進歩に目を向けましょう。

リスニング上達に必要な期間の目安
リスニング力の向上には一定の時間が必要です。毎日30分のトレーニングを続けた場合の目安を参考にしてください。
- 2〜4週間:音声変化のパターンが少しずつ聞き取れるようになる
- 1〜2ヶ月:TOEICリスニングセクションでスコアの向上を実感できる
- 3〜6ヶ月:ニュースやPodcastの内容が概ね理解できるようになる
- 6ヶ月〜1年:映画やドラマの日常会話がかなり聞き取れるようになる
ただし、これはあくまで目安であり、学習の質と量、もともとの英語レベルによって個人差があります。焦らず、日々の積み重ねを大切にしましょう。
まとめ:原因を特定して効率的にリスニング力を上げよう
英語リスニングが聞き取れない原因は人それぞれ異なります。まずは自分がどの原因に当てはまるかを見極め、それに対応したトレーニングに取り組むことが最も効率的な上達法です。
特に「音声変化のルールを知らない」方は、これを学ぶだけで聞き取り精度が大幅に改善する可能性があります。音声変化の学習+シャドーイングの組み合わせから始めてみてください。
リスニングは一朝一夕で上達するものではありませんが、正しい方法で毎日15〜30分続ければ、必ず成果が出ます。焦らず、コツコツと英語を聞く習慣を積み重ねていきましょう。
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