「英語が好きだから、通訳の仕事がしたい」「通訳ってどうやったらなれるの?」こんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
英語を使う仕事の中でも通訳は花形の職業ですが、「英語が得意」というだけでは通訳にはなれません。通訳には独自のスキルと体系的な訓練が必要であり、その道のりを正しく理解することが第一歩になります。
この記事では、英語の通訳になるための具体的なステップから必要な資格、年収の目安まで、通訳を目指す方に必要な情報をわかりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、通訳者への道筋を確認してみてください。

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通訳の種類を知ろう
一口に「通訳」と言っても、実はいくつかの種類があります。それぞれ求められるスキルや活躍の場が異なりますので、まずは全体像を把握しましょう。
1. 同時通訳
スピーカーが話すのとほぼ同時に訳す、最も高度な通訳スキルです。国際会議やサミット、記者会見などで使われます。通訳ブースに入り、ヘッドフォンで原語を聞きながらマイクに向かって訳すスタイルで、極限の集中力が要求されます。
2. 逐次通訳
スピーカーが話した後に訳す方式です。ビジネス交渉、商談、セミナーなどで多く使われます。メモを取りながら聞いて、区切りのいいところで訳します。通訳のキャリアはここからスタートする方がほとんどです。
3. ウィスパリング通訳
聞き手のそばで小声で同時通訳する方式です。少人数の会議や視察などで使われ、機材が不要という利点があります。
4. 放送通訳
テレビやラジオのニュース番組で、海外ニュースを同時通訳します。高い語学力に加えて、国際情勢やニュースの背景知識が必要になります。
5. 通訳案内士(ガイド通訳)
外国人観光客に日本の文化や歴史を英語で案内する通訳です。唯一の国家資格が必要な通訳であり、日本の魅力を海外の方に伝えるやりがいのある仕事です。
初心者が目指しやすいのは逐次通訳や通訳案内士です。同時通訳はプロとして経験を積んだ後にステップアップするのが一般的な流れになります。
通訳に必要な英語力
目安のレベル
- TOEIC:900点以上
- 英検:1級
- TOEFL iBT:100点以上
- IELTS:7.5以上
ただし、これはあくまで最低ラインの目安です。通訳として活躍するには、テストのスコアを超えた実践的な英語力が求められます。
まずはこのラインに届くかどうかを確かめたいところです。英検1級は語彙のレベルが飛び抜けているので、専用の問題集で出題範囲を先に把握しておく方が多いです。

「英語が話せる」と「通訳ができる」は別物
通訳に求められるのは、単に英語が話せることではありません。
- 瞬時に日英・英日の変換ができる
- 専門用語を正確に訳せる
- 話者の意図やニュアンスを汲み取れる
- 長時間の集中力を維持できる
英語力はあくまで基礎であり、その上に「通訳スキル」を積み上げていく必要があります。
通訳に必要な資格
実は「通訳になるための必須資格」はない
意外かもしれませんが、通訳者になるために法的に必要な資格は基本的にはありません(通訳案内士を除く)。実力とクライアントの信頼があれば、無資格でも通訳の仕事に就くことは可能です。
ただし、以下の資格があるとスキルの証明になり、仕事を獲得しやすくなります。
取得しておきたい資格
1. 全国通訳案内士
観光庁が管轄する国家資格です。外国人観光客を有償でガイドする際の信頼性を高めることができます。試験は年1回で、合格率は約10%と難関です。
日本政府観光局(JNTO)のサイトで試験情報を確認できます。
2. ビジネス通訳検定(TOBIS)
ビジネス通訳のスキルを測る検定です。逐次通訳と同時通訳の実技試験があり、企業内通訳やフリーランス通訳を目指す方に適しています。
3. 英検1級
通訳の資格ではありませんが、英語力の証明として広く認知されています。取得しておいて損はありません。
4. TOEIC 900点以上
英語力の証明として活用できます。通訳エージェントに登録する際の最低条件になっていることも多いです。

通訳者になるための5つのステップ
ステップ1:英語力を最高レベルまで上げる
まずは英語力の土台作りです。英検1級合格、TOEIC900点以上を目指しましょう。留学経験があるとさらに有利です。
ここで大事なのは、4技能(読む・書く・聞く・話す)のバランスです。特にリスニングとスピーキングは通訳の基盤になりますので、重点的に鍛えることをおすすめします。
ステップ2:通訳学校で訓練を受ける
通訳スキルは独学だけでは身につけにくいものです。通訳学校(通訳スクール)に通って、プロの指導の下で体系的に学ぶのが一般的なルートになります。
通訳学校では以下のような訓練を行います。
- リテンション(聞いた内容を保持する)訓練
- ノートテイキング(通訳用のメモ術)
- クイックレスポンス(瞬時に訳す)訓練
- サイトトランスレーション(文章を見ながら口頭で訳す)
- シャドーイング
このうちシャドーイングは自宅でも進められる訓練です。スクリプトと音声がセットになった教材を使うと、独学でも取り組みやすくなります。
ステップ3:専門分野を持つ
通訳者として差別化するには、得意な専門分野を持つことが重要です。
- 医療通訳
- 法律通訳
- IT・テクノロジー通訳
- 金融・ビジネス通訳
- 政治・外交通訳
専門分野があると、その分野の専門用語や背景知識が強みになり、単価も上がります。

ステップ4:実務経験を積む
通訳学校を卒業したら、実務経験を積む段階です。
- 通訳エージェントに登録して、案件を紹介してもらう
- 企業内通訳(社内通訳)として就職する
- ボランティア通訳で経験を積む
- 翻訳の仕事を並行して受ける
最初は小さな案件からでも問題ありません。実績を積み重ねることで、だんだんと大きな案件を任されるようになります。
ノートテイキングの記号や訳し下ろしの手順は、現場に出る前に本で型を知っておくと当日の負担が減ります。
ステップ5:フリーランスとして独立する
十分な実務経験を積んだら、フリーランス通訳者として独立する道も開けます。フリーランスは自分で仕事を選べるメリットがあり、収入も青天井です。ただし、安定した案件を確保するには人脈と実績の両方が必要です。
通訳者の年収・収入
キャリア段階別の目安
- 初級(経験1~3年):年収300~400万円
- 中級(経験3~7年):年収400~600万円
- 上級(経験7年以上):年収600~1,000万円以上
- トップクラス(同時通訳):年収1,000万円以上も可能
フリーランスの報酬相場
- 逐次通訳:1日3~5万円
- 同時通訳:1日5~10万円以上
- 国際会議の同時通訳:1日10~20万円
フリーランスは案件数によって収入が大きく変動します。安定を求めるなら企業内通訳という選択肢もあります。
フリーランス通訳は案件の波があるため、年収が安定しない時期もあります。複数のエージェントに登録して案件を確保することが重要です。
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通訳に向いている人の特徴
- 好奇心旺盛:さまざまな分野の知識を吸収するのが好き
- 集中力がある:長時間の集中を維持できる
- コミュニケーション力が高い:人と人をつなぐ仕事が好き
- プレッシャーに強い:ミスが許されない環境で力を発揮できる
- 継続的に学べる:常に新しい知識をアップデートし続けられる
- 日本語力も高い:正確で美しい日本語が使える

通訳業界の動向
AIと通訳の関係
AI翻訳ツールの進化で「通訳は不要になる?」という声もあります。しかし実際は、高度な場面では人間の通訳が不可欠です。
AIが得意なのは定型的な翻訳です。一方、人間の通訳が求められるのは以下のような場面です。
- 微妙なニュアンスの伝達
- 文化的な背景を踏まえた通訳
- 緊急時や機密性の高い場面
- 話者の意図を汲み取った通訳
むしろAIの普及で、「AIにはできない高品質な通訳」の価値が上がっているのが現在のトレンドです。
リモート通訳の普及
InterpretAmericaでも報告されている通り、オンライン会議の普及で「リモート通訳」の需要が急増しています。自宅から世界中のクライアントにサービスを提供できるため、通訳者にとっては活躍の場が広がっている状況です。
リモートで訳す場合は、聞き取りと発話の両方を安定させたいところです。マイク付きのヘッドセットを用意している方が多いのはそのためです。
今日からできる通訳への第一歩
1. 英語力を測定する
まずは自分の現在の英語力を客観的に把握しましょう。TOEIC、英検、TOEFLなどを受験してみてください。
2. 通訳の練習を始める
英語のニュースを聞いて日本語に訳す練習を毎日15分行いましょう。逆に、日本語のニュースを英語に訳す練習も効果的です。最初はうまくいかなくて当たり前ですので、毎日続けることが何より大切です。
このとき、自分の訳を録音して聞き直すと詰まった箇所がはっきりします。手元のボイスレコーダーで残しておく、という進め方もあります。
3. 通訳学校の説明会に参加する
多くの通訳学校が無料の説明会やレベルチェックを開催しています。まずは気軽に参加して、通訳の世界を覗いてみましょう。サイマル・アカデミーをはじめ、各スクールで体験授業を実施しています。
いきなり通訳学校に通うのが難しければ、毎日のニュース通訳練習から始めてみてください。NHK World Newsなどの無料素材を使えば、コストゼロで練習を始められます。
まとめ:通訳は英語を極めたい人の最高のキャリア
英語の通訳になる道は決して簡単ではありません。しかし、英語力+通訳スキル+専門知識を身につければ、非常にやりがいのある仕事ができます。
通訳は、言葉の壁を超えて人と人をつなぐ仕事です。国際会議で国の代表の言葉を訳したり、ビジネスの重要な交渉を支えたり。あなたの英語力が、誰かの大切な場面を支える力になります。
まずは英語力を磨くことから始めてみてください。そして、通訳という目標に向かって一歩ずつ進んでいきましょう。

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