「英語は聞き流すだけでペラペラに!」といった広告を見たことがある方も多いのではないでしょうか。実際のところ、聞き流しだけで本当に英語力は伸びるのか気になりますよね。
結論から申し上げると、ただBGMのように聞き流すだけでは英語力は伸びません。しかし、正しいやり方で聞き流しを行えば、リスニング力の向上に確実な効果があります。
この記事では「聞き流しに効果がある場合・ない場合」を科学的な観点から解説し、本当に効果が出るやり方を紹介していきます。忙しい社会人でも取り入れやすい方法ばかりなので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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「聞き流すだけ」で英語が身につかない理由
脳が「雑音」として処理してしまう
意味がわからない英語を聞き流しても、脳はそれを「雑音」として処理してしまいます。カフェのBGMと同じで、聞こえてはいるものの情報として脳に入ってこないのです。
言語学の研究でも、「意味のわからない音声をいくら聞いても、言語習得にはつながらない」ことが証明されています。赤ちゃんが言葉を覚えるのは「聞いているだけ」に見えますが、実際には親の表情やジェスチャー、文脈から必死に意味を推測しているのです。
「理解可能なインプット」がカギ
言語学者のスティーヴン・クラッシェンが提唱した「インプット仮説」によると、言語習得には「i+1」レベルのインプットが必要です。つまり、自分の現在のレベル(i)よりちょっとだけ上(+1)の内容を理解しながら聞くことが重要です。
まったくわからない英語を聞き流しても効果は期待できませんし、簡単すぎる英語を聞いてもあまり伸びません。「なんとなくわかるけど、少し難しい」という素材がベストな選択です。
聞き流し教材の広告で「聞くだけで英語ペラペラ」と謳っているものには注意が必要です。科学的根拠のない誇大広告の可能性があります。
聞き流しが効果的な3つのケース
ケース1:すでに内容を理解している音声を聞く
一度テキストを読んで内容を理解した後に、その音声を聞き流すのは非常に効果的です。内容がわかっているため、英語の音と意味がリンクしやすくなります。
具体的なやり方は以下の通りです。
- テキスト付きの教材を選ぶ
- まずテキストを読んで内容を把握する
- 音声を聞きながらテキストを目で追う(数回)
- テキストなしで聞き流す
この「テキスト→リスニング」の流れを守るだけで、同じ聞き流しでも効果がまったく違ってきます。
裏を返すと、スクリプトのない音源では最初のステップが踏めません。聞き流しを学習として使うなら、テキストと音声がセットになったリスニング教材から選ぶのが前提になります。
ケース2:自分のレベルに合った簡単な音声を聞く
8〜9割理解できるレベルの音声であれば、聞き流しでも効果があります。知っている単語や表現が多いため、脳が「雑音」ではなく「情報」として処理してくれるからです。
ケース3:復習として聞く
以前勉強した内容を復習として聞き流すのも効果的です。通勤中や家事の最中に聞くことで、記憶の定着を助けてくれます。新しいことを学ぶ時間ではなく、「忘れないための時間」として活用するイメージです。

聞き流しの効果が出ない3つのケース
ケース1:まったく理解できない英語を聞く
CNNのニュースや映画の英語を初心者がいきなり聞き流しても、ほとんど効果は期待できません。聞き取れない音声をいくら繰り返し聞いても、聞き取れるようにはならないのです。
ケース2:まったく集中していない
スマホをいじりながら、SNSを見ながら英語を流しているだけでは、聞き流しとすら言えません。少なくとも意識の10〜20%は英語に向ける必要があります。
ケース3:聞き流し「だけ」に頼る
聞き流しはあくまでサブの学習法です。メインの学習(文法、単語、スピーキング練習など)があった上で、補助的に使うものです。聞き流しだけで英語力を伸ばそうとするのは、筋トレしないでプロテインだけ飲むようなものです。
効果的な聞き流しのやり方【4ステップ】
ステップ1:教材を選ぶ
自分のレベルに合った、テキスト付きの音声教材を選びましょう。おすすめは以下の通りです。
- 初心者:NHKラジオ英語講座、英語学習アプリの音声
- 中級者:Podcast(英語学習系)、TED Talks
- 上級者:英語ニュース、洋画のセリフ
初心者向けに挙げたNHKラジオ英語講座は、放送自体は無料ですが月刊テキストを併用すると「精聴→聞き流し」の流れが作りやすくなります。1冊あたりの価格が抑えられているのも続けやすい点です。
ステップ2:精聴してから聞き流す
最初は集中して聞く「精聴」を行い、内容をしっかり把握します。知らない単語があれば調べて、理解度を上げてから聞き流しに移行しましょう。
目安は「同じ音声を最低5回は聞く」ことです。1〜2回目は精聴、3回目以降は聞き流しという流れがおすすめです。
ステップ3:通勤時間を活用する
聞き流しに最適なのは通勤時間です。片道30分の通勤であれば、1日1時間の聞き流し時間が確保できます。これを毎日続ければ、1ヶ月で約20時間の英語インプットになります。
ただし電車内は雑音が多く、そのままだと音量を上げがちです。ノイズキャンセリング付きのイヤホンなら小さめの音量でも英語が届くので、毎日1時間使う前提なら検討する価値があります。
ステップ4:定期的に教材を入れ替える
同じ音声を聞き続けると飽きますし、学びも減ってきます。1〜2週間を目安に新しい教材に切り替えて、常に新鮮なインプットを取り入れましょう。
通勤時間が往復1時間あるなら、1ヶ月で約20時間、1年で約240時間の英語インプットが可能です。この積み重ねが大きな差を生みます。
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聞き流しにおすすめのコンテンツ
Podcast
無料で質の高い英語コンテンツが聴き放題です。初心者向けなら「ESL Pod」や「6 Minute English(BBC)」がおすすめです。BBC 6 Minute Englishは6分間で1トピックを学べるため、通勤中にサクッと聴けます。
英語ニュース
VOA Learning English(www.voanews.com)はアメリカの国営放送が提供する英語学習者向けニュースです。ゆっくりめのスピードで話してくれるため、中級者にぴったりです。テキストも無料で読めます。
オーディオブック
Audibleなどのサービスで洋書のオーディオブックを聴くのもおすすめです。ストーリーがあるため飽きにくく、小説の英語は日常会話に近い表現が多いのが特徴です。
聞き流し × 他の学習法の組み合わせ
聞き流し × シャドーイング
聞き流しで慣れた音声を使ってシャドーイング(音声を追いかけて声に出す)を行うと、リスニング力だけでなくスピーキング力も伸びます。聞き流し → シャドーイングの順番が大切です。
この流れに進むなら、速度別の音声とスクリプトが揃ったシャドーイング用の教材が使いやすいです。聞き流し用とシャドーイング用を1冊で兼ねられるので、素材選びの手間も減ります。
聞き流し × ディクテーション
聞き流しで何度も聞いた音声を書き取る練習です。「ここは何と言っているのだろう?」という部分が明確になり、リスニングの弱点が把握できます。
聞き流し × 多読
テキストを読みながら音声を流す「リスニング読書」は、リーディングとリスニングを同時に鍛えられます。Oxford Graded Readersのようなレベル別教材なら、音声付きのものが多いのでおすすめです。
Graded Readersは語彙数で段階が分かれているので、「8〜9割わかるレベル」を選びやすいのが利点です。1冊が薄く価格も抑えめなので、まずは1段階下から試すのがおすすめです。
よくある質問
Q. 寝ている間に聞き流すのは効果がありますか?
残念ながら、睡眠中の聞き流しに英語習得の効果はほとんどありません。むしろ睡眠の質が下がって逆効果になる可能性もあります。睡眠は脳がその日学んだことを整理する大事な時間ですので、静かに休んだ方が学習効率は上がります。
Q. 1日何時間くらい聞き流せばいいですか?
量より質が大切ですが、目安としては1日30分〜1時間くらいが現実的です。それ以上は集中力が持ちませんし、他の学習時間を削ってまで聞き流しに時間を使う必要はありません。
Q. 洋楽を聴くのは聞き流しになりますか?
洋楽はリスニング教材としてはあまりおすすめしません。歌詞は文法的に崩れていることが多く、メロディに乗っているため通常の英語とはリズムが異なります。楽しむ分にはよいですが、英語力アップの効果はあまり期待しない方がよいでしょう。

まとめ:聞き流しは「正しく使えば」効果あり
英語の聞き流しは、魔法の学習法ではありませんが、正しく使えば強力な武器になります。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 理解できるレベルの音声を選ぶ
- 最初は精聴してから聞き流しに移行する
- 聞き流し「だけ」に頼らない
- 通勤時間などのスキマ時間を活用する
「聞き流しは意味がない」と全否定するのも間違いですし、「聞くだけでペラペラ」を信じるのも間違いです。正しい位置づけで活用すれば、忙しい方でも毎日英語に触れ続けられる最高のツールになります。
※記事執筆時点での情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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