「英語のリスニング力を上げたいけど、集中して聴く勉強は疲れる…」「通勤時間や家事の合間にできる学習法はないかな?」そんな方にぴったりなのが「多聴(たちょう)」という学習法です。
多聴とは、その名の通り「たくさんの英語を聴く」トレーニングです。精聴(一文一文を正確に聞き取る練習)とは異なり、全体の内容をざっくり理解しながら大量の英語音声に触れることで、英語を英語のまま理解する「英語脳」を育てます。
この記事では、多聴の正しいやり方、精聴との違い、おすすめの教材やポッドキャスト、そして効果を最大化するコツを詳しく解説します。

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多聴と精聴の違い
英語のリスニング学習には、「多聴」と「精聴」の2つのアプローチがあります。この2つの違いを理解して使い分けることが、リスニング力アップの鍵です。
| 項目 | 多聴 | 精聴 |
|---|---|---|
| 目的 | 大量の英語に触れて耳を慣らす | 一文一文を正確に聞き取る |
| 聴き方 | ざっくり全体を把握 | 細部まで聞き取る |
| 素材の量 | 多め(1日30分〜1時間) | 少なめ(1日10〜15分) |
| 素材の難易度 | 少し簡単なもの | やや難しいもの |
| 集中度 | リラックスして聴く | 集中して聴く |
| おすすめ場面 | 通勤中・家事中・散歩中 | 机に向かって学習する時間 |
リスニング力を効率的に伸ばすには、精聴と多聴を7:3〜5:5の割合で組み合わせるのが理想的です。精聴で聞き取りの精度を上げ、多聴でスピードと量に慣れるという使い分けです。
多聴の正しいやり方
ステップ1:自分のレベルに合った素材を選ぶ
多聴で使う素材は、内容の70〜80%が理解できるレベルのものを選びましょう。全然分からない英語をいくら聴いても、ただの雑音になってしまいます。
逆に簡単すぎても効果が薄いので、「少し集中すれば大意が掴める」くらいの難易度がベストです。
レベル選びに迷うなら、難易度が段階別に整理された多聴用の教材から入るのが手堅い方法です。自分に合う段を見つけてしまえば、あとは同じシリーズで少しずつ上げていくだけになります。
ステップ2:全体の意味をざっくり掴みながら聴く
多聴では、一語一句を聞き取ろうとする必要はありません。「何について話しているか」「結論は何か」という大まかな内容が分かればOKです。
分からない単語や表現が出てきても、止めずにそのまま聴き続けましょう。文脈から推測する力が自然と身につきます。
ステップ3:毎日継続する
多聴の効果は一朝一夕には現れません。最低でも3ヶ月、理想的には半年以上の継続が必要です。ただし、集中して聴く精聴と違って、ながら聴きでOKなので、続けるハードルは低いです。
研究によると、週末に2時間まとめて聴くより、毎日10〜20分聴くほうが学習効果が高いとされています。
ステップ4:気になった表現はメモする
多聴中に「あ、この表現使えそう」と思ったフレーズがあれば、後でメモしておきましょう。多聴はインプット重視の学習法ですが、気づきを記録に残すことでアウトプットにつなげられます。
多聴に最適なおすすめポッドキャスト
初心者向け(TOEIC 400〜500点レベル)
Hapa英会話 Podcast
日米ハーフのJun先生が運営する人気ポッドキャストです。日常英会話のフレーズを日本語の解説付きで紹介してくれるので、英語だけのポッドキャストが難しい方でも安心です。1エピソード約20分で、通勤時間にちょうどよい長さです。通勤時間にポッドキャストを取り入れる具体的な方法は、以下の記事でまとめています。



English with MARUJUN
日常的に使える英語フレーズを、ゆっくりしたスピードで解説してくれるポッドキャストです。初心者が「聞き取れた!」という成功体験を積みやすい内容になっています。
中級者向け(TOEIC 500〜700点レベル)
BBC Learning English – 6 Minute English
BBC Learning Englishが提供する6分間の英語学習番組です。時事的なトピックを扱いながら、新しい単語やフレーズを紹介してくれます。スクリプト付きなので、聞き取れなかった部分を後から確認できます。
All Ears English
アメリカ人ホストが自然な会話スピードで英語学習のコツを紹介するポッドキャストです。1エピソード15〜20分で、ネイティブの自然な会話リズムに慣れるのに最適です。
上級者向け(TOEIC 700点以上)
TED Talks Daily
TEDのプレゼンテーションを毎日配信するポッドキャストです。テクノロジー、科学、ビジネスなど多彩なトピックを通じて、アカデミックな英語表現に触れられます。
CNN 10
CNNニュースを10分間にまとめた番組です。ニュース英語の速いスピードに慣れるトレーニングに最適です。時事的な話題を英語で理解する力が身につきます。


ポッドキャスト以外の多聴おすすめ素材
海外ドラマ・映画(英語字幕付き)
Netflixなどの動画配信サービスで、英語字幕を表示しながら海外ドラマを見るのも効果的な多聴です。「フレンズ」「ジ・オフィス」などの日常系コメディは、会話のスピードが自然で、使える日常表現がたくさん出てきます。
洋楽
好きな洋楽の歌詞を見ながら聴くのも、楽しく多聴を続けるひとつの方法です。ただし、歌は崩れた発音やスラングが多いので、あくまで補助的な教材として考えましょう。
オーディオブック
AudibleなどでKindleの洋書を音声で聴くのも多聴に最適です。小説やビジネス書など、興味のあるジャンルを選べば楽しく続けられます。
音声と本文を行き来したい場合は、専用の電子書籍リーダーがあると読書に集中しやすくなります。通知が飛んでこない端末なので、聴きながら文字を追う時間を邪魔されません。
多聴の効果が出るまでの期間
多聴の効果が体感できるまでの目安は以下の通りです。
| 期間 | 実感できる変化 |
|---|---|
| 1ヶ月 | 英語の音に耳が慣れてくる |
| 3ヶ月 | 全体の大意が掴めるようになる |
| 6ヶ月 | 細部の聞き取り精度が上がる |
| 1年 | 英語を英語のまま理解できる瞬間が増える |
最初の1〜2ヶ月は変化を感じにくいですが、3ヶ月を超えたあたりから「あれ、聞き取れるようになってる」と気づく瞬間が訪れます。それまでは焦らず、淡々と続けることが大切です。
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多聴でやりがちなNG行動
難しすぎる素材を聴く
CNNのニュースや学術的なTEDトークを初心者がいきなり聴いても、ほとんど理解できません。「分からない」が続くとモチベーションが下がるだけです。背伸びせず、自分のレベルに合った素材を選びましょう。
BGMとして流しっぱなし
多聴は「ながら聴き」OKですが、完全に意識を向けない「聞き流し」とは異なります。少なくとも内容の大意を追う程度の意識は向けないと、学習効果は得られません。
精聴をまったくしない
多聴だけでは「なんとなく分かった気になる」状態で止まってしまうことがあります。週に2〜3回は精聴の時間を設けて、聞き取りの精度を上げるトレーニングも並行して行いましょう。
多聴の効果を高める「精聴」との組み合わせ方
精聴で基礎を固める(週2〜3回)
精聴では、1〜2分程度の短い英語音声を選び、聞き取れるまで繰り返し聴きます。具体的には、ディクテーション(書き取り)やスクリプトとの照合を行い、聞き取れなかった部分の原因を分析します。
精聴のトレーニングで鍛えられるのは、「音のつながり(リエゾン)」「音の脱落(リダクション)」「弱形(弱く発音される語)」の聞き取りです。これらは英語リスニングで日本人がつまずきやすいポイントであり、精聴で意識的に練習することで、多聴時の聞き取り精度が格段に向上します。
精聴に使う素材は、スクリプトと解説がセットになったディクテーション用の教材が扱いやすいでしょう。書き取れなかった箇所の原因が本の解説で確認できるので、独学でも原因の分析まで進められます。
多聴で量を確保する(毎日)
精聴で学んだ音の変化パターンを、多聴で大量の英語の中から自然に拾えるようにします。精聴は「顕微鏡で細部を見る」作業、多聴は「広い視野で全体を捉える」作業と考えると分かりやすいです。
おすすめの週間スケジュール
| 曜日 | 学習内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 月〜金 | 多聴(通勤時間にポッドキャスト) | 各20分 |
| 火・木 | 精聴(ディクテーション+スクリプト確認) | 各15分 |
| 土 | 多聴(海外ドラマ1エピソード) | 30〜50分 |
| 日 | 休養 or 軽い多聴(洋楽やYouTube) | 自由 |
精聴の音声準備や答え合わせが面倒で続かないなら、スタディサプリENGLISHを使ってみるのもひとつの方法です。ディクテーションやシャドーイングの機能があり、アプリならボタン1つで取り組めて答え合わせまで自動で進みます。1回3分から学習できるので、平日の精聴タイムにも組み込みやすい作りです。詳しい内容は公式サイトで確認できます。



多聴を日常に組み込むスケジュール例
- 朝の通勤(20分):BBC 6 Minute English × 2エピソード
- 昼休み(10分):Hapa英会話 Podcastをながら聴き
- 帰りの通勤(20分):TED Talks Daily × 1エピソード
- 寝る前(15分):海外ドラマを英語字幕で視聴
このスケジュールなら、1日約1時間の多聴を無理なく日常に組み込めます。全部やる必要はないので、自分のライフスタイルに合った部分から取り入れてみてください。
多聴は皿洗いや洗濯物を干している間にも進められます。水回りや汗を気にせず使える防水タイプのイヤホンにしておくと、聴ける場面がそのまま増えていきます。
多聴の効果を実感した人のリアルな声
「通勤時間にBBC 6 Minute Englishを毎日聴き続けて半年。最初は20%くらいしか分からなかったのに、今は7〜8割は理解できるようになりました。特にイギリス英語の音に慣れたのが大きいです」(30代・会社員)
「TOEICのリスニングが苦手で400点台でしたが、多聴と精聴を組み合わせて4ヶ月。結果は450から560に上がりました。特にPart3の長い会話問題で、全体の流れが掴めるようになったのを感じます」(20代・大学生)
「Netflixで海外ドラマを英語字幕で見るのを1年続けました。最初は字幕を追うだけで精一杯でしたが、今はスラングや省略表現もだいたい聞き取れます。映画館で字幕なしの洋画を楽しめるようになったのが一番うれしい変化です」(40代・主婦)
多聴の効果は個人差がありますが、共通しているのは「3ヶ月以上継続した人が効果を実感している」という点です。焦らず、楽しみながら続けることが最も重要です。
多聴で耳が慣れてきたら、聞いた表現を実際に口に出して試す場も必要になります。レアジョブ英会話は、公式サイトで7日間の無料トライアルレッスンと日本人講師のカウンセリングが案内されています。内容は公式サイトで確認してください。
まとめ
多聴は、大量の英語音声に触れることで英語を英語のまま理解する力を養う学習法です。通勤中や家事中などのスキマ時間に行えるため、忙しい社会人でも取り組みやすいのが最大の魅力です。
ポイントは、自分のレベルに合った素材を選ぶこと、毎日続けること、そして精聴と組み合わせることの3つです。3ヶ月以上続ければ、着実にリスニング力の変化を実感できます。まずは今日から、お気に入りのポッドキャストを1つ聴いてみることから始めましょう。
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